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  1.事業経営者からの税務相談事例

    会社・役員間取引の注意点について


   【相談内容】

  

   私は小さな会社の経営者です。

   先日、顧問税理士に「固定資産を時価よりも低額での譲渡取引は気をつけ

   た方がいい」とアドバイスされたのですが、具体的にどんな場合にどんな

   リスクがあるのでしょうか?わかりやすく教えてください。

 

 

 

 【税理士の回答】

 

   固定資産が時価よりも低い金額で譲渡された場合の課税関係は、譲渡者

   と譲受者の違いによって、下記のように取扱うのが原則です。

 

   なお、個人がその法人の役員等である場合には、給与課税となります。

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譲渡者
譲受者
譲渡価額
譲渡者に対する課税関係
譲受者に対する課税関係
 
譲渡損の通算の可否
 
取得価額等
個人
法人
時価の1/2以上
通常の譲渡所得計算
譲受価額と時価との差額は受贈益
時価
時価の1/2未満
みなし譲渡課税
譲受価額と時価との差額は受贈益
時価
法人
個人
時価未満
時価と譲渡価額の差額 は寄附金又は給与等
一時所得又は給与所得
時価

 

 

   また、消費税の課税については、消費税の課税標準が原則としてその譲渡対価の額

   (収受した金銭等の額)となることから、固定資産が時価より低額で譲渡された場合で

   あっても、その固定資産の時価ではなく、その対価として収受された金銭等の額となり

   ます。

 

   ただし、法人がその役員に対して低額譲渡・贈与された場合には、時価が課税標準と

   なりますので、注意が必要です。

 

   なお、譲渡される固定資産が土地等である場合には、非課税取引とされます。

 

 

 

 

 

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三輪厚二税理士事務所 所長 三輪厚二(大阪・大阪市)

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